スキルレベル4に属するネットワークスペシャリスト

情報処理技術者試験の区分の中で、最も難易度が高いスキルレベル4に属するのがネットワークスペシャリスト試験です。
高度情報処理技術者試験に含まれています。
名前の通りネットワークに関するスペシャリストを対象としている試験で、設計や管理に関しての専門性を問う資格試験であるといえるでしょう。

対象となるのは、下位の情報処理技術者試験とは違い、ネットワークに関する設計担当者や管理責任者といった明確な基準で対象者を絞っています。
それだけ難易度が高く、合格することが難しい試験であるともいえるでしょう。

一時期は、テクニカルエンジニア試験とも呼ばれていましたが、平成21年のIT資格の整備の際にネットワークスペシャリストとして再設定されることになりました。
略号はNWです。

鬼門の午前I

他の試験同様、午前午後に分かれている試験になっています。
午前はIとIIに分かれています。
午前Iは他の高度情報処理技術者試験と共通の問題が出題されますが、難易度的にはスキルレベル3程度になっています。
60点が合格基準になっていますが、この午前Iがネットワークスペシャリストにとっては鬼門ともいえるのです。

午前IIや午後I午後IIに関しては、ネットワークや情報セキュリティといった関連性のある出題が続きますが、午前Iは言語に関する問題が出題されます。
基礎能力ではありますが、ネットワークのスペシャリストとはあまり関係のない分野となるため、どうしても鬼門となって立ちふさがり、合格率を下げる要因となってしまっているのです。

その代り、午前Iが一定基準に達すれば、他の高度情報処理試験を受験した場合でも科目免除を受けることが可能です。
期間は2年間になっています。

合格率はかなり低い

ネットワークスペシャリストの合格率を見てみると、6%前後です。
国家資格試験として、かなり低い部類に入る合格率で、難易度の高さがうかがえるでしょう。
そのため、難関国家資格とも呼ばれています。

難易度の高さを後押ししているのは、年一回の試験ということもあります。
秋試験とも呼ばれていますが、年2回ある情報セキュリティスペシャリストに比べれば、チャンスが半分しかないといえるのです。

資格を取得すると、企業内でも評価されやすい資格であるといえるでしょう。
能力ということもありますが、それだけの難易度に挑戦しているという実績も買われます。
独学ではかなり難しい試験ではありますが、それだけチャレンジしがいのある試験であるともいえるのです。